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2025.06.17
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「雨の訪問者」フランシス・レイ

「雨の訪問者」は、名匠ルネ・クレマン監督作品、主演はチャールズ・ブロンソンで、自分を襲った暴漢を射殺した新妻と謎のアメリカ人をめぐるフランスのミステリー映画です。

20曲ほどで構成されるこの作品のサウンド・トラックのうち、主演のチャールズ・ブロンソン演じるドッブスとメリー役のジョベールが踊るシーンで使われる「ワルツ」が日本ではヒットしました。ミステリアスな美しい曲です。この曲以外の曲も映画のなかでは効果的に使われ、作品の緊張感を盛り上げています。

さて、ここで作曲者のフランシス・レイについてお話しましょう。フランシス・レイは、1932年フランスのニースで生まれたイタリア系フランス人です。幼いころからピアノやアコーデオンに親しみ、シャンソン歌手ジュリエット・グレコ、イヴ・モンタンそしてエディット・ピアフの伴奏者としても活躍しました。ピアフの死後は、作詞家ピエール・バルーとコンビを組んで、たくさんの曲を世に送り出しています。とりわけ、クロード・ルルーシュ監督の映画「男と女」では、ボサノバ風のメロデイが一世を風靡しました。同じルルーシュによるオリンピック記録映画「白い恋人たち」も大ヒットしました。その後、「ある愛の詩」、「個人教授」、「さらば夏の日」、「続エマニエル夫人」と次々と作り出した作品の哀愁感あふれる美しいメロデイは世界の人々を夢中にさせました。また、それまでの映画音楽とちがい、フランシス・レイがまずテーマとなる曲を作り、曲から得られた発想で監督が映画を作り上げるという斬新な手法もフランシス・レイを音楽界にあっては歴史的な作曲家にしているようです。

水星社で取り扱っている楽

LA VALSE DU MARIAGE // PASSAGER DE LA PLUIE LE