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2022.06.04
コラム
赤い鳥のこころ
「赤い鳥」という児童雑誌は、大正7年に鈴木三重吉(すずき みえきち)によって創刊され、昭和11年まで、わが国の児童文学の指標となり、その間 一貫して児童文学の理想を実践してきました。
「どんな時代にも守られるべき人間的倫理観」「人・生き物・物に対する愛情」「生き方の模索」「生と死の考察」「世の中とのかかわり」「自然とのふれあい」「創造力への信頼」などの重いテーマを深い眼でとらえています。
赤い鳥のこころは、そんな子供たちにとって大切なテーマを、木下恵介、松山善三、山田太一など 一流の脚本家を集め、個性豊かな上質のアニメーションとしてに仕上げました。
その美しい映像は、子供たちはもとより、おとなにもじゅうぶん楽しめるものです。また、全作品にわたり、音楽を担当する木下忠司が、一話一話に新しい音楽を用意し、その範囲は前衛音楽からジャズ、日本民謡にまで至り、広く新鮮なレパートリーは他のアニメーション作品には望めない贅沢です。
こうして、できあがったアニメーションは、1979年、昭和54年2月からテレビ朝日系全国ネットワークで放映され、当時、国際児童年にあたって開催された「1979年 ミラノ国際児童映画祭」においてグランプリを受賞し、世界的な評価を得ております。
紛争や対立がますます激化していく現代において、人として正しく生活をしていくための普遍的なテーマを、端的にわかりやすく取り上げた作品は子供たちにとって必要になっていると感じます。