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2024.01.09
コラム
黒いオルフェ

1959年の映画「黒いオルフェ」

ギリシャ神話のオルフェウス(オルフェ)とエウリディケ(ユリディス)の悲劇の物語をモチーフとしたマルセル・カミュ監督のフランス映画。

ギリシャ神話に、オルフェウスが亡くなったエウリディケを探しに死者の国に行く話があります。地上に出るまでは、決して振り向いてはいけないと神に言われますが、最後に振り向いてしまい、エウリディケは死者の国に連れ戻されてしまいます。

映画「黒いオルフェ」はリオのカーニバルを舞台に繰り広げる愛の物語。作中に使用されるいくつかのボサノバの曲は今も歌い継がれる名曲になっています。

特にアントニオ・カルロス・ジョビン作曲のフェリシダージ(悲しみよさようなら)、ルイス・ボンファ作曲のカーニバルの朝(黒いオルフェ)はボサノバの名曲として、今も歌い継がれています。

余談ですが、出雲に「黄泉比良坂」という場所があります。黄泉の国と現世の境目の場所とされています。以前NHKの「ドキュメント72時間」でも紹介されましたが、過去の人をしのぶ場所として、人跡が絶えることはありません。

古事記の神話のなかで、イザナギノミコトが亡くなった妻イザナミノミコトを取り戻しに黄泉比良坂を通って黄泉の国を訪れるお話があります。決して見てはならないといわれたイザナギですが、不安になってこっそりとイザナミを見てしまいます。醜く変わり果てたイザナミは怒ってイザナギを追いかけます。イザナギは慌てて地上に逃げ帰り、その入り口を大きな石でふさいだとされる場所が黄泉比良坂です。

どこかギリシャと日本の神話に共通点があっておもしろいですね。

水星社で取り扱っている楽曲のご紹介

フェリシダージ(悲しみよさようなら)
カーニバルの朝(黒いオルフェ)